最上の帽子は頭にのっていることを忘るるような帽子である。最上の政府は存在を忘るるような政府である。
----徳冨蘆花「謀反論」

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DATE: CATEGORY:江戸・明治維新
2008年などと語るにはちょっとタイミングを逸してしまった感じもあるが。
元旦の新聞というのはその新聞社のカラーが出るが、今年の産経新聞のそれは明治の原点に還れ、などというようなものだった。まともに批評する価値すらない新聞ではあっても、自民党のタカ派の主張が大体わかるので時々読む。
 そう思いながら、ふと手に取った渡辺京二著「逝きし世の面影」。幕末から明治初期にかけて、日本に来た外国人たちがつづった日本の印象をまとめた著作で、以前からどういう本であるかくらいは知っていたのだが、ここまで詳細に、膨大に収集された証言集になっているとは知らなかった。

 外国人の目に、幕末の日本がどのように映ったのか、いくつかの記述を拾い出してみる。
 郊外の豊穣さはあらゆる描写を超越している。山の上まで見事な稲田があり海の際までことごとく耕作されている。おそらく日本は天恵を受けた国、地上のパラダイスであろう。人間が欲しいというものが何でも、この幸せな国に集まっている(リュードルフ)。

小田原から箱根に至る道路は他に比類のないほど美しく、両側の田畑は実りで輝いていた。これらのよく耕作された谷間を横切って、非常な豊かさの中で所帯を営んでいる幸福で満ち足りた暮らし向きのよさそうな住民を見ていると、これが圧政に苦しみ、過酷な税金を取り立てられ、窮乏している土地だとはとても信じがたい。むしろ反対に、欧州にはこんなに幸福で暮らし向きのよい農民はいないし、またこれほど穏和で贈り物の豊富な風土はどこにもないという印象を抱かざるを得なかった(オールコック)。

 手入れの行き届いた土地は農園というより庭園に似ている(フォーチュン)。

それほどまでに日本の農業は完璧に近く、その高い段階に達した状態を考慮におくとこの国の面積な非常に莫大な人口を収容することができる(カッテンディケ)。

おそらく東洋で女性にこれほど多くの自由と大きな社会的享楽が当たられている国はない。私は日本が子どもの天国であることを繰り返さざるを得ない。世界中で日本ほど、子どもが親切に取り扱われ、そして子どものために深い注意が払われる国はない。ニコニコしているところから判断すると、子どもたちは朝から晩まで幸福であるらしい(モース)

 人々はいずれもさっぱりしたよい身なりをし、栄養もよさそうだった。実際、私は日本に来てから汚い貧乏人をまだ一度も見ていない。彼らは幸福そうで、一見したところ富者も貧者もない。将軍の衣服は想像されうるような王者らしい豪華さからはほど遠いものであり、私の服装の方が彼のものよりはるかに高価だったと言っても過言ではない。これがおそらく人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響を受けさせることが果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進するゆえんであるかどうか、疑わしくなる。
 衣食住に関する限り完璧に見える一つの生存システムを、ヨーロッパ文明とその異質な信条が破壊し、ともかくも初めのうちはそれに変わるものを提供しない場合、悲惨と革命の長い過程が続くだろうことに愛情に満ちた当然の懸念を表明せずにはいられない
(ハリス)

 江戸時代を専制と退化、差別の歴史として描き、列強の侵略の手から日本を救い、太平の眠りを覚ましたのが明治維新であり、その国士たちの高邁な理想を思い出せ、という正月そうそう寝ぼけた洗脳の中にいつまでも国民を落とし込めたままにしたい人たち。今年があなた達にとってどんな年になるのか、今からわくわくする。タウンゼント=ハリスのいう「悲惨と革命の長い過程」の「悲惨」が140年も続くとは誰も思わなかっただろう。ここからが緩やかな革命の過程に入る、そんな2008年であって欲しい。

続く
コメント

歴史の偽造

集団自決に日本軍の強制は無かったなどの歴史の偽造は、生存者(目撃証人)の存在で嘘が簡単にばれたが、ことはなにしろ江戸時代。
野蛮未開の江戸時代の神話は、ほとんどすべての日本人が信じている。
明治政府が作った神話を否定する勇気有る著作ですね。しかし自分の信じている神話を完全否定されると、怒る人もいるらしい。(読書感想で毒付く人も)
世界のどんな歴史においても、未開な非文明社会が突然文明化するなどは、ありえない話。(日清戦争は新政権26年目の事)
「作る会」の歴史の偽造は、先祖がえりしただけで連中の常套手段なんですよ。少し早すぎただけで。
ちゃんとした正しい歴史を書き残さないといけない。
嘘でもインチキでも、人は沢山のみんなが信じているものを信じ、本や新聞、マスコミ、其の他色々、多い方を信じます。

衝撃でした

布引洋さまコメントありがとうございます。
さすが、この本についてもよくご存じですね。
 一応どういう本であるかくらいは知ってはいたんですが、ここまで内容の濃い本だと思いませんでした。これだけ集められると圧倒されます。
 建国の神話を偽る、どこの国でもある程度はやることだとは思いますが、北朝鮮と日本は世界でもっともひどい部類にはいるかもしれません。民主主義国家において将軍「さま」とかなんとかの宮「さま」と「さま」をつける人がいるというタブーも含めて北朝鮮と日本というのは本当によく似ています。

明治神話を解体するために

渡辺京二という人がいることも、この本についても、全く知りませんでした。僕自身の関心のど真ん中に近い内容なので、非常に興味をひかれます。日本人の中にある明治信仰のようなものを解体していく必要を常日頃感じているのですが、この本はそのために役立ちそうですね。
それにしても、アメリカの領事として対日通商交渉の最前線にいたハリスが、「開国はこの人達の幸せを増進させるだろうか」なんてと疑念を抱いていたとは、かなりびっくりです。いい記事をありがとうございました。

コメントありがとうございます

レイランダーさま、初めまして。コメントありがとうございます。今の日本を問い直す大事な視点と、私も感じるようになりました。
実は、逆にトービン税というのは私の興味のど真ん中で、以前から、この問題を書いている人がいるのか、と興味を持っていました。これからもよろしくお願いします。

愚樵さん、ご無沙汰しています

コメントありがとうございます。お久しぶりです。
さすがですね、この問題をご自分の中で暖めていらっしゃったと言うことですね。ちょっと知ったからすぐに書いてしまう私の軽さが恥ずかしいです。
 でも、これからももう少しこのテーマを続けようかなと思っています。

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