安倍首相は7月5日の報道番組中で「消費税を上げないとは一言も言っていない、消費税から逃げない」と語ったそうである。おそらく財務省から既に年金の国庫負担部分について消費税でまかなうという素案を受け取っているのだろう。だから既定の方針なのである。ところがその後財政支出を徹底的に削減すれば消費税率を上げる必要がないかもしれないとトーンダウンした。選挙に勝てない、それだけのことでとたんにヘナヘナっとなってしまう。 いちいち相手にするのもばかばかしいくらい次々言うことが変わるくせに「逃げない」だとか「美しい」とか口先だけは並べ立てるので、どう考えていいのかわからなくなってくる。
ただ、うそばかり並べ立てる安倍さんの言葉からでもある程度真実を拾うことはできる。で、わかることは、自民党が勝てば間違いなく消費税は上がるということだ。
安倍さんは「消費税から逃げない」といっているのであって、決して「財政再建から逃げない」といっていない。もし財政再建を本格的にやるというのであれば、もっと総合的に財政問題について何らかの案があるはずだし、それ自体は国民受けするからとっくに発表されているはずである。それについて言及しないということは、彼は財政再建をする気はなく、消費税を上げるつもりだけがあるのだ。
もうひとつの根拠は、消費税が導入されて130兆円ほどの税収があったはずだが、その分法人税がほぼ同額減税されている。つまり、財政再建のために消費税があるのではなく、今まで強い者から取っていた税金を弱い者から徴収することにしただけのことである。消費税導入当時、高齢化社会における福祉のため、と称して導入したが、結局うそだったのだ。導入のときの委員(加藤寛)も「そういったほうがわかりやすかったからそう説明した」ことを認めている。
さらに、日本の財政が本当は危機的でないことは
晴耕雨読さんが何度も説明されている。
一言で言うと、諸外国が国の借金を
「純債務」=借金と所有債権をプラスマイナスして計算
しているのに、日本だけ
「粗債務」=借金部分の数字だけを表示する
計算をして、お金がないから増税が必要、としている。さらに、債務の過剰計上(かさ上げ分といわれる)を正しく計算すれば、EU諸国の標準的な財政となんら遜色はない。
そんなことを理由に緊縮財政をとる、その真の目的はただの福祉切捨てである。そうして国民生活をどん底に陥れ、中小企業をつぶす。そんなふうに体力をなくしてから手術する、という植草教授が指摘していたようなでたらめをやってますます国を弱らせているのだ。
その結果、外国資本が不良債権ビジネス(企業をつぶし、安く売り飛ばして、場合によっては公的資金を注入させ、そうでなくとも銀行に債権放棄させ、二束三文で不動産を手に入れる。銀行は、この12年間で低金利のために国民から約300兆円をせしめているから、財源はある)で儲けさせる。
さらに、主要企業が軒並み外資に買収される(日本企業だと思っていたら、キャノン、ソニー、オリックスは既に外資比率50%超、多くの一流企業の外資の資本比率は40%位にはなっている)事態を故意に招いたのである。
それでもたかがカネである。泥棒するならされても、たいしたことじゃない。私たちさえしっかりしていればいくらでも国の形は元に戻る。
ところが、米百俵のたとえなどとでたらめを言って、結局教育費もどんどん上がっている。その結果、次の世代も育ってこない。自殺者も毎年3万人。諸外国と数だけ比べてはいけない。諸外国の自殺の多くは75歳以上、もう体の自由も利かなくなって迷惑をかけるだけだと自殺をする人が多いのであって、40台、50台のまだまだ社会のため、自分の幸せのため、子供のために働いてほしい、経済にとって貴重な命が失われる国は特異なのだ。
さらに、日本企業の強みは、すぐに株主が口を出して目先の配当を要求するようなことをせず、長期的な設備投資、研究開発ができる点だったがその良さも失われてきている。
国の富とは何か、名目的なお金の残高なのか、という問題は何百年も前からの根源的な問いである。国民が持つ活力を将来のために育てることこそが国の富である。消費税が何パーセントというだけの問題ではない。この経済政策のために毎年3万人を超える人が自殺をする。富だけでなく命まで失われている。

<参考過去記事>
消費税自体の問題点としてまとめたのは
この記事。
EUでは消費税率が高いではないか、というご批判については、
EUの消費税はマイナスであるを参照。
それに生産人口が減少傾向な昨今、税負担の世代格差を緩和するために、消費税の引き上げは必要なのでは?
消費税の秘密
平等なのは貧乏人に対してだけで大金持ちに別のルールが適用されている。
消費税とは消費した時支払うと一般国民は信じているが、大金持ちたちは払うものではなく『消費税』とは国から還付されるもの、国から貰えるものだと思っている。
日本の消費税は『輸出促進税』『輸出払戻し税』になっていて輸出企業は一円も払わずに逆に大金を国から還付されて笑いが止まらない。
ヨーロッパ諸国は20%の消費税という指摘も有るが食品などの生活必需品が免税で状況は全く違う。
現在欧州諸国は消費税と法人関係の税が其々三分の一ずつで消費税5%の日本の日本と殆ど同じ水準です。
消費税は悪魔の税制
しかし消費税にも大きな長所?がある。
消費を抑制し貯蓄を促す。
輸出産業を活性化させ外貨を稼げる。(其れで多くの諸外国は消費税を導入している)
消費税を導入した日本は消費が抑制され『消費不況』になり世界中の貯蓄の半分以上を日本一国が占めるにいたった。
トヨタなどの輸出企業は史上最高の利益を上げ我が世の春を謳歌するし外貨(アメリカ国債)は増え続けた。
何故数字は好況なのに実際の日本に不況感が漂うのか。?
実は、気が付き難いが、日本は世界的に見てGDPに占める貿易比率の最も低い国だからです。
日本は貿易立国ではないのです。
『国内消費』が冷え込めば、不況感が感じられるのは当たり前ですね。
消費税の一番の効用はインフレ対策なのです。
しかし現在日本は長引くデフレ不況に苦しめられています。
デフレに苦しむ日本に対する消費税率アップは、凍死寸前の人に冷水を浴びせる行為で、悪魔の所業と言える。
法人税率
ただ、従業員への育児なども含めた休暇、保険料その他企業の負担が大きく最低賃金も高い実質的に高いので、企業負担は非常に大きいです。
その分日本の法人税率を高くするか、下げたければ、保証を大きくするべきでしょうね。
今ですら年金支給額が安いのに、一般的に世代格差が問題になるのでしょうか。
布引洋さまコメントありがとうございます
消費税は、消費というものに担税力を見出す、悪くない考え方だとは思いますが、日本の場合、よその悪いところだけ真似するから、きわめて不公平なものになっていますね。特にご指摘のとおり、輸出戻し税は大企業にとって消費税は儲けのネタになってしまっています。
それらからがっぽり政治献金がもらえる自民党としては消費税を上げたほうが儲けになり、「消費税から逃げない」どころか消費税を逃がさないというのが正しいでしょう。
消費税のいいところは人頭税よりは マシってところでしょうか…冗談です…
ヘナヘナとなんて、なってないかもしれません…小泉君もそうでしたけど、世襲の人たちの怖いところは「堂々と嘘がつける血統」だということでしょうか…そんな自覚もないかもしれません…目的のためなら手段は選ばないという血統書付です
> ヘナヘナとなんて、なってないかも
そうですね、権力にしがみつく意志と執念は鋼のように固いかも。
> 目的のためなら手段は選ばないという血統書付
そういう血統だけが生き残って適者生存していくのが政治の世界なのかもしれませんね。
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