最上の帽子は頭にのっていることを忘るるような帽子である。最上の政府は存在を忘るるような政府である。
----徳冨蘆花「謀反論」

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 前に書いたとおり、私は小選挙区制のメリットをそもそも認めない。民意がゆがめられた上に存在するメリットなど、論じてみても仕方がないと思われるからだ。
 もちろんそれに対しては、民主主義は万能ではないんだよ、民意を機械的に反映すればそれでいいわけじゃない、と反論されるかもしれない。そう、民意が暴走することだって歴史上何度もあった。そのために権力分立や地方分権など、民主集中制とは異なる仕組みが形成されてきた。そんなこと日本国憲法ですらすでに織り込みずみなのであって、民意を反映しない議席配分を正当化する理由にはならない。

 それでも一般に小選挙区制のメリットなどと論じられているので、しょうがないからちょっとつきあうことにする。
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 代表的なものは、政治の安定である。それによると、比例代表制だと、たとえば保守党45%、社民・左派政党40%に対して、少数政党が15%というような場合、その少数政党がどちらにつくかで法案ごとに少数政党がキャスティングボートを握ることになり、少数政党に振り回された政治になる。安定も一貫性もなく、仮にその期間、国が悪くなっていったらいったい誰の責任なのかも明確ではない。何のことはない、たった15%の存在に国政が振り回されるだけで、何ら「民意が反映」した政治ではない、ということになる。
 もし同じ例で小選挙区制であれば、保守党の議席は半数を遙かに超えていることだろう。国民の45%が支持している政党が一貫して政治を運営し、悪くなれば誰の責任か国民の目から明らかである。そうなれば反対政党は明確な選択肢を提示し、政権交代を促す。わずかの支持率の動きが今度は逆の結果をもたらし、反対党に政権が移る・・・といいたいわけだ。

 実にわかりやすいようにも見える。ただし、もし明確に政権選択の選択肢に従ってどちらかの政党に入れているのであれば、の話だ。ところが、たとえば自民党と民主党は二大政党化しつつあるが、民主党を応援する人たちでも明確に民主党と思っている人はおそらく少なく、本当は改憲派が一緒にいていやだと思いつつ、自分の投票が死票になってほしくないから民主党に投票する、という人もいるし、逆に左翼崩れみたいなやつが入っているが、自民党が傲慢だから投票するという人もいるだろう。自民党に投票する人も、旧来型の利益を求める人もいれば、構造改革が大事だと思う人もいる。二つしか政党がなければ、当然「この点ではこちらの政党、ほかの点ではこちらの政党」と思っていても、選択肢がないのだ。確かに票数だけをみたらまっぷたつに割れるかのようだが、その一票一票がどういう意味だったのかを考えていくと決してわかりやすいわけではない。
 だから新宿に出たはいいが、両方回ってる時間はないから伊勢丹か高島屋かどちらか一店を選べといわれているようなものである。本当は贈答はこっちがいいし、服はこっち、地下の食料品はこっちの方がいい。しかし、どちらかしか選べない。仮に片方の店を選んだからといって、すべての品目に賛意を示したわけではない。そうなると、どちらの店も、専門店化するわけに行かず、限りなく大衆の好みにあった一般的な品揃えで勝負するしかなくなり、どんどん似通ってくるだろう。アメリカの二大政党が瓶の表ラベルと裏ラベルのようなもので反対向いているようで中身は同じ、といわれる事態が生じてくる。
 実は二大政党制を考える人は、毎回本当の意味で政権選択をさせたいのではないのだ。ほとんど同種の二大保守政党にしておいて、一方が休業の時には他方の店を利用しても同じ、というふうにしておく。同種の店を二つ、一方をキープ君にしておきたいだけである。見かけは政権交代で健全な政党政治が行われているようにしておいて、実は二大政党制的一党独裁体制、という、事実上の自民党一党独裁よりたちの悪いものを作ろうとしている。ガス抜き的一党独裁制といっていいだろう。
 我々は、二大政党制というと、明確に価値観の異なる保守政党対革新政党の二大政党制のようなものを想像し、価値観の問題として政権選択ができるかのような幻想を抱いているフシがあるが、おそらくそうはならない。
 もちろん二つの政党が全く同じでもなく、それぞれ若干異なる層の利益を代表するという程度のものにはなるだろう。明らかに同じであればガス抜きの役割すら果たさないからだ。しかし、だませる程度に、である。

 私はアメリカ大統領の政党が時々替わるのも、次は軍需産業の利益、次は金融業界の利益、というふうに回り持ちで談合している企業のようなものではないかと思っている。

 その点比例代表であれば、特に少数政党がいわゆる中道であった場合、福祉ではこちら、防衛ならこちら、というような動きもあり得るだろう。それが国民の選択に最も近い以上、もっとも妥当な結果となる。

 やはり比例代表しかない。国民の意思を反映した選挙が行われれば、ここまでの強行採決もなかった。民意をゆがめた選挙を続けると、私たち自身の心もゆがむ(死票をさけるため、不本意な政党に投票する)。政治に関心も持てなくなる。もっと政治は荒廃する。そして国土も人心も荒廃する。二大政党制の国をみよ。人心は荒廃し、残虐な侵略国家になりはてているではないか。今なら間に合う。
 総選挙は比例代表で民意を問わなければならない。
コメント

次善の中選挙区制を

民意の正確な反映なら比例代表に勝るものは無いが選挙区が大きいほど選ぶ有権者と候補者の距離が離れる。
選挙区が一番小さいのが小選挙区制で候補者と選挙民の距離が最も近い。
一見近いほど良いように思えるが、この距離が問題で、当然利害関係(利権問題)も含まれるのは公然の秘密。
日本人の民度を考えると近すぎても遠すぎても問題で、案外半世紀も続いた中選挙区制が日本には一番合っているのかもしれない。
Luxemburgさんは比例代表を主張していますが日本では一番良いものは限りなく実現性は低い。

日本の選挙制度で一番の問題点は、選挙区の大きさ以前に選挙制度そのものが問題。
公職選挙法が改正される度に改悪されて、今では有権者や候補者に残された自由は候補者名の連呼意外ほとんど無いに等しい。
供託金が諸外国に比べ馬鹿高く設定されていて事実上一般市民の被選挙権は奪われている。
しかも主権者たる有権者に合法的に出来る選挙運動は全く無いのが現状で、投票権以外何も残されていない。
到底先進国と呼べる水準に無いのは明白なのに、気付いていないのは有権者本人だけとは情けない。

重い言葉です

布引洋さまコメントありがとうございます。
「日本では一番よいものは限りなく実現性は低い」というのは非常に重い言葉です。
 民意を極端にゆがめる小選挙区制でさえなければ私は中選挙区制(大選挙区制)でも本当はいいと思っていますが、それも実現は難しそうです。選ばれるべきでない党や人間を選んでおいて、資質がないなんて文句いうより、入り口の時点で、アホを排除するのが一番だと思うのですが・・・。

小選挙区制神話

「わずかの支持率の動きが今度は逆の結果をもたらし、反対党に政権が移る・・・といいたいわけだ」

日本では2005年の郵政選挙の結果が示したように、与野党が支持率、得票率で逆転しても、議席数での逆転を保証しないのが小選挙区制です。

できる政権交代を阻害するのが小選挙区制なのですが、選挙制度改革当時は、「神話」が支配的でした。

蜜月の自公連合は、少数政党が安定政権を支えるケースがあることのいい実例になっています。

私は、無所属候補に配慮した比例代表制がよいと考えます。単純比例代表制は、政党という結社を強制するものといえ、憲法違反の可能性があります。

ご批評いただけると幸いです。

小選挙区制の廃止へ向けて
http://kaze.fm/wordpress/?p=215
中選挙区比例代表併用制を提案する
http://kaze.fm/wordpress/?p=164

はじめまして

OHTAさま初めまして、コメントありがとうございます。
民主主義である以上、有権者の意思がきちんと反映する選挙制度が必要だと思いますね。無所属に配慮した比例代表というのは画期的です。勉強させていただきます。


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