最上の帽子は頭にのっていることを忘るるような帽子である。最上の政府は存在を忘るるような政府である。
----徳冨蘆花「謀反論」

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辛坊治郎というひとが、朝日新聞の投書欄を例にとって、朝日新聞がヘイトスピーチを掲載した、と非難している。



 投書というのは、このようなものらしい。



「少し前には沖縄県で、元米海兵隊員の米軍属の男による女性殺害・遺棄事件が起きた。私達住民は自分の事として憂慮している。私たちは日常的に、街中でもスーパーでも米軍関係者と出会っている。沖縄の事件の事を思うと怖い。(中略)地域住民全体が安心して生活する権利を、確保するか否かの瀬戸際である。私も憂慮する市民の一人である。憂うべき現在の問題に、敢然と対処して行かねばならないと切実に思う。」



 それに対して辛坊治郎は「米軍関係者を「怖い」って言うのは、誰がどう言いつくろっても間違いなく唾棄すべき差別」であるという。そういうものを掲載する「朝日新聞には猛省を求めたい」そうである。


 その上で、何がヘイトかわからないから、ヘイトスピーチ法というものも「 将来の運用いかんによっては、これが権力によって特定の言論活動を縛る出発点になる可能性が無いとは言えません」という。


 ヘイトスピーチを規制する、ということについては、このような問題点を含むことは間違いないだろう。その意味ではこの論者の言うとおりだと思う。この論者のように、本来正当な言論すらも、ヘイトと難癖をつけてくる人間が現れる恐れがある以上、こういう輩に付け入る隙を与える危険がある。


実際、こちらのサイトによると、「法案の発議者である参院法務委員会委員の西田昌司議員(自民党)は私の取材に対し、「米軍基地への抗議は憲法で認められた政治的言論の一つ。同法の対象であるわけがない」と明確に答えた。」という。



ヘイトとは何か


 概ね了解されているヘイトの場面とは以下のようなものである。ただし、これはヘイトの『定義」ではなく、特徴を記述したものに過ぎない。世の中には「叙述できても定義できない」と言われるものはたくさんある。用務員さんの仕事などはその一つで「こんなときにこれこれしたり、あんなときに・・・」と延々と記述するしかないが、だが用務員さんの仕事として概ね了解されている事項というのはある。



まずA国にB国民(民族)が暮らしていたとする。Bには、以下の特徴がある。



1 Bは少数であり、小さくなってビクビクしながら暮らしている(Aが多数派であることを頼みにして、日常的に嫌がらせをするなど)


2 Aの政府、警察が、Bを守り切らない、むしろ場合によってはAの差別感情にしたがって行動するおそれ(差別的に特定の人種に発砲するとか、学校に対して差別的に援助をうち切るなど)がある


3 なにかの言論をきっかけに、暴力や嫌がらせを受ける可能性がある(例えば「Bが井戸に毒を入れたらしい」という噂が広がればAによる暴行、虐殺をうけるおそれがある、など)



 ロシアやドイツにおけるユダヤ人、特に戦前の日本における朝鮮人などに当てはまる場合など、ちょっとした言論がとてつもない人権侵害に結びつく可能性があるような場合には、その言論は何らかの形で制限しなければならない、という考え方に基づくものといえるだろう。



 こういう歴史、認識をきちんと共有するところから始めた上で、法律によってヘイトスピーチを禁止するのでなければ、前提すら共有しない人間が全くの見当はずれのことを言う可能性がある、ということである。その典型的な例が、今回の辛坊治郎だろう。



 米軍関係者との関係で言うと、沖縄での現実はむしろ、Aが米軍兵および関係者、Bは沖縄の人々言うべきだろう。したがって、沖縄の報道機関などが、沖縄に対するヘイトの方だ問題であるというのは、極めて的を射た指摘というべきであろう。

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