最上の帽子は頭にのっていることを忘るるような帽子である。最上の政府は存在を忘るるような政府である。
----徳冨蘆花「謀反論」
Author:Luxemburg
ときどき生存確認程度に記事を書いてます。体も心も生きてます。
随分長い間休んでいたが、最近ちょっとした時間を見つけることもできるようになってきたので、無理しない程度(おそらく一ヶ月に一度くらい)に更新していこうと思って、また書くことにした。なんとかパスワードを覚えていたから、以前のブログの続きに書くことにする。exciteも残っているので、あちらを普通のもの、fc2は報道などで感じたことを書いていきたいと思う。ただ、久しぶりにこの手の文章を書くせいか、思うように進まないが、まあそのうち慣れてくるだろう。
で、最初からお笑いか、と自分でも情けないが、最初から重たい文章は書けないので、産経新聞のお笑いでお茶を濁そうと思う。
「かねて産経紙面で」、というのは最初から笑わせる。産経新聞には縮刷版がないが、報道として残す価値がないし、どうせ一貫性などないのだからそのほうが産経にとってもありがたいはずだ。イラク戦争開始数カ月でブッシュが勝利宣言をした。それを当時の産経は、この戦争は長引くといって反対した朝日新聞は恥の報道大賞(正確にはわすれた。なんせ縮刷版がないから)と言って揶揄した。「かねてから産経紙面」というのは、どの口が言っているのか。
話の核心部分は何ら間違っていない。昭和15年生まれだと、防空壕に逃げたことを覚えていて何らおかしくない。もし終戦の時20歳になっていたら、おそらく戦地に行っていたはずで、戦いましたとでも言ったなら大ウソをこいたことになる。話の核心は、自分は戦争を知る世代だ、という部分である。人の話の核心部分をつかむというのは、やはり義務教育でちゃんと教えるべきだ、とつくづく思う。
つまり、揚げ足を取る気はないと言いながら、しっかり揚げ足取りだけをしているのだ。
ちなみに、以前東京都知事だった石原慎太郎氏は、日韓併合(1910年)は、国際社会も認め、国際連盟(1920年)も承認していた、と言ったのだが、そちらは極めて問題が大きい。第一次世界大戦を経て、世界の侵略や戦争に対する認識は大きく変わっている。日韓併合の時代は、国際連盟もなく、国際法はオオカミたちの紳士協定だったが、国際連盟成立からは大きく流れが変わる。だから1931年の満州侵略は世界から問題にされたのだが、日本は、当時の陸軍用語で言うと「空気が読めない」状態だった。
ということは、この話の核心部分で、中学校の歴史教科書レベルの間違いをした東京都知事を大丈夫なのかと、「かねてから産経紙面」は指摘していたのだろうか。それとも、国語がその程度なんだから、社会まで手が回らず、こんな発言に気が付きもしなかったか。
いやいや、そういうのはただの空中戦のようなもので、東京都知事を選ぶ話なんだから、いきなり戦争がどうこうという話をするなよ、と確かにそうだ。だが、石原の歴史認識をめぐって韓国は、「これが都民のメッセージと受け取っていいんだな」と言っている。また、東京都知事が尖閣列島の土地を購入して、中国との間に緊張が走った。それ以降、戦争ができる国、に向かって日本は猛進している。東京都知事の歴史認識が、日本をどんどん危険な地位に押しやることがある以上、これを問題にするのは当然なのだ。
もうこんなに長くなってしまった。お笑いの解説ほど白けるものはないし、復活初回ということもあって、今日はこれでやめる。
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