DATE:
2012/06/28(木) 07:08
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中教審が、教員になるには大卒では足りず、大学院2年修了(修士)レベルが必要であると答申した。いじめや不登校などの対処には修士でないとダメだということらしい。
しかし、本当に教員の学歴の問題だろうか。修士まで持っている教員というのはもちろんいるわけだが、その先生のもとではいじめや不登校が少ないという何らかの根拠でもあるのだろうか。思いつきで「今の教育が悪いのはこれこれが原因だ」などと決めつけ、教員志望の学生に仮にあと2年学校に通ってもらうとすれば、いっそう費用と手間がかかることになって、法科大学院と同じでお金持ちの坊ちゃんお嬢ちゃんしか先生になれない事態を招かないか。
国立大学が独立行政法人化して、今や天下りと利権の巣窟となってしまっているが、せっかくのメシのタネがやせ細っては困るためか、何でもかんでも学校を増やす方向で事態は進んでいる。例えば、薬学部を4年から6年にし、法科大学院を作らせた。薬学部はまだよいとしても法科大学院などは定員割れを起こしているところがかなりあり、そんな学校に何百万も支払って、卒業しても3割ほどしか司法試験に合格しない。残った人たちの行き先も考えないで、とにかく金を巻き上げることだけを考える。逆に、3割の合格率というのも、以前は50倍以上の倍率だった司法試験から見れば雲泥の差で、今や資格試験の中で最も簡単な部類に入るだろう。法科大学院が定員割れを起こしているような事態だから、別に優秀な人の中で3割が選ばれるというのではない。学力だけで見るなら、質は相当下がることになる。しかもまずいことに、法科大学院に進むのは、就職との差を考えれば1000万から2000万の費用の差になるから、残るのはお坊ちゃんお嬢ちゃんが大半となるだろう。多彩な人材が得られない点でも大きく質は低下する。結局、利権屋が儲かる以外に何一ついいことはなかった。学校に長くいればそれでよくなるというものではなく、むしろ逆の事態の可能性を考えなければならない。
学校の先生の世界でも、教員免許更新制というのが始まって、10年に一度その期限がやってくる。「先生になったからって安心じゃないんだ、いい制度だね」とでも思ったら大間違いで、別に再度試験をして勉強していなかった先生を落とす(仮にそうだとしても無意味な制度だが)というのではない。どこかの大学が主催する講習会に何日か通って何万円もの費用を支払い、お座なりなレポートなどは提出させるとしても、それでおしまいである。「教育が悪い、先生が悪い」というキャンペーンに乗せられてしまったお人好しな国民が、利権屋が先生たちから金を巻き上げるのを間接的にお手伝いしているだけのことである。
修士などといえば聞こえがいいが、ただでさえ教育費がかかる日本で、いっそういい人材が確保できなくなっていく。これで消費税が上がるとなると、一層事態は悪くなる。昔「眠れる獅子」と言われた国は最近元気だが、逆に血を吸われすぎて意識がもうろうとしてきた国の最期は近いのかもしれない。
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何と驚くことに『日本の独自の文化』らしいですよ。
黒川氏は長く外国で研究していて日本の学術会議の会長にもなったくらいの内外の事情に通じた人材です。
ですからこれは『間違いない』。
原発事故さえ日本の文化であるなら、それ以上にイジメは日本の文化の真髄でしょう。
日本には『和をもって尊しとなす』伝統がある。
しかし日本にも多くの人がいて『和』の心を理解できない人も生まれる。
そのような伝統からはみ出した困った人に『和』の心(日本文化)を教えるために古来から行われてきたのが『いじめ』です。
確かにいじめによる身体的・精神的苦痛は苦しいが、多くの人はそれを耐えた後に『和』の心を理解し、日本社会に溶け込んで生きていくことが出来るようになる。
いじめは日本の伝統的な教育手法で、現在、学校では『いじめ自殺』が大きな問題となっていますが、あくまでも防ぐべきは『自殺』であり、日本の伝統である『いじめ』ではありません。
従って、いじめに耐えることが出来る強い子供を育成することを、『いじめ自殺』対策の基本とするべきです。
私も幼い時分、疎開先の田舎で着るものも食べるものも無い状態で『赤だ』と集団による激しいいじめに耐えて現在に至っています。
Re: イジメは日本の伝統文化
村八分というのも悪いイメージでしか語られませんが、一定の季節にはこれを採取してはいけないなどの掟を破ったことに対して課されるペナルティで、資源保護と持続可能性を確保する手段だったようですね。
先日も親戚の集まりがあった時に、ある子どもが親戚のおじさんに叱られると、その母親はあとで「この子が傷つく」などと大騒ぎでした。私などは「その前に、このクソガキをちゃんと育てろよ」なんて思いましたが、いろんなことに耐える力が落ちていることは事実だと思います。
原発についてはまた、別の「日本の伝統」かもしれません。戦争でも、補給すら考えずに勇ましいだけが取り柄の作戦(などと呼べるシロモノではありませんが)を立て、なんの責任も取らない、大日本帝国の伝統であるような気がします。
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