安倍首相が就任して初の国政選挙、第21回参議院通常選挙は、初めて国民が安倍政権に審判を下す選挙となったが、結果は自民党の大敗。改選数121のうち37議席しかとれないという、歴史的大敗となった(公明党が9議席のため、合計しても46というお粗末さである)。
投票率は58.6%。亥年(統一地方選挙で金と労力を使い果たしているので地方議員があまり動けず、投票率が下がるといわれている。12年前の亥年の選挙では44.5%)の選挙としては、高い数字がでたといえる。無党派層ができるだけ選挙に行かないように、と行楽シーズンまっただ中に選挙日をずらしたが、期日前投票が1080万人と増えた(前回比1.5倍)だけで、その"努力"は報われなかったようである。さらに、安倍政権への不満も、少しはほとぼりが冷めるだろうと目論んだのであろうが、それも空振りだったようである。かえって選挙制度を私物化し、党利党略で投票日を動かしたことに対する反発が強まったかもしれない。

それ以上に、自民党は選挙総括をする力すら残っていないらしく、桝添要一さんなどは、政策がよかったのに大臣の失言などで足を引っ張られたと考えているようである。インタビューでも民主党の農業政策はでたらめで自民党の方がいいのに、それがかき消されてしまったと、およそ見当はずれな総括をしていた。
政治家の能力というのはこれから起こることを予測して、人より先に思い切った判断ができるというところにあると思うのだが、自民党の政治家は、未来の予測どころか起こったことを読み取ること能力すらない。こんなことは、ごく一般の国民でもわかるのに、それよりはるかに低いということだろうか。
今までに何度も書いているが、自民党の農業政策はでたらめ以下である。薬のラベルを貼った毒といってもいい。一方、私が支持している党ではないが、民主党の直接給付案は、EUがすでに実施し、効果は実証済みの政策である。テレビを見ただけでもヨーロッパの国土の美しさにため息をつく人が多いだろう。それに比べて日本の過疎化した地方の風景を見るにつけ、政治が悪いと、ここまで国土は荒れるものなのか、とより深いため息をついてしまう。
民主党案は基本的に目新しさ自体はないものだが、それでも食糧自給率を上げ、農業を振興させて、国土もよみがえらせ、中央と地方の格差をなくすための実証済みのやり方である。
失言だのばんそうこうなどという小さい問題ではない。結局、自民党が利権に群がり、私腹を肥やすことばかりやってきたツケが回ってきたのだ。小泉"改革"とは何であったのか、国民が肌で感じ始めているということである。前にも書いたとおり、農業補助そのものは、
諸外国から問題にされるほどつぎ込まれているのに、農業従事者には全くといっていいほど
渡っていない。今回の選挙結果、特に一人区の結果を見れば、今回の選挙結果が利権を食い物にしてきた自民党への痛撃であることがよくわかる。
にもかかわらず、安倍首相は、「国民と約束した、改革をやり遂げる使命がある」そうである。
何を寝ぼけているのか。国民はあなたと一度も約束などしていない。知能がまだ十分発達していない子供が、親が生返事したことだけを覚えていて「遊園地に行く約束だったでしょ」とダダをこねているのと同じである。そのレベルを国政に持ち込むなど、もってのほかである。
民主主義社会において使命があるとすれば、国民が選挙において安倍にやらせよう、と託したときだけである。ところが、安倍政権は国民の審判を一度もうけることなく発足し、今回が唯一審判を受けた国政選挙である。その選挙において、国民は、安倍に"改革という名の利権漁り"をやめろといっているのである。この国民の総意に反した"使命"などあり得ないのだ。あるとすれば独裁者の専横、あなたのレベルにあわせれば"ボクちゃんのダダ"でしかない。勘違いもいい加減にせよ。名家の御曹子である以外に何の取り柄もない人間に"使命"を与えるほど民主主義社会は甘くないのだ。
選挙結果を重く受け止める?
なるほど。では国民の総意を受けて辞任するということか。
今までの運営について反省する?
わかった。では、教育基本法"改正"など、今まで繰り返した強行採決の結果成立した法律をすべて元に戻せ。もちろん、自民党の国会議員全員が、この強行採決を続けた期間の歳費全額を国庫に返納せよ。
口だけで使命とか責任とか言葉遊びをするのはやめよ。失言よりよっぽどたちが悪い。
とくらたかこさん、ありがとう。そして、私たちの力が及ばなくて本当にごめんなさい。
昨日は、全く祝杯などあげる気も起こらず、ちょっとぼんやりしてました。天木直人さんも応援していたのに、自分が非力だったことが情けない。
エントリーを書いたには書いたけど、各党議員のコメントなどうろ覚えで、不正確な引用です。自民党が多少勝っても(大勝は困るけど)、とくらさんだけ入ってくれた方がうれしかった。ほんとにほんとにごめんなさい。
でも一緒にがんばろう。まだまだ今始まったばかり。今回はちょっと皆さんにとくらたかこを知ってもらう選挙だったと思いたい。今から本当に政治が動き始めます。あなたの出番はもうすぐだと思います。そのことはカッシーニさんについても同じく思うんだけど。
この時間に、朝日新聞のホームページに、小沢代表“檄文”//小沢代表、党内に檄文 総選挙へ向け決意/静養中の小沢氏は檄文で「今度の成果は、間違いなく大きな一歩だ」と強調。「安倍自民党の暴走に参院で歯止めをかける。さらに、『国民の生活が第一』を理念とする内閣を樹立し、我々の基本政策を実行する」と呼びかけ、衆院の解散・総選挙で一気に政権交代を果たす決意を示した。
そのとおりだと思います。
小泉純一郎の遺産
ところが安倍晋三本人が其の日のうちに続投を表明する。
其の後は首相の敗戦責任(辞任)を口に出せる雰囲気では無くなった。
安倍坊ちゃまの首に鈴を付けに行けるだけの勇気の有る者は自民党には一人もいない。
小泉時代、郵政一法案に反対しただけで除名、選挙では刺客まで差し向けられた恐怖が骨の髄まで染み込んでいる。
『下手を売れば殺される』首相退陣の勧告は『一法案の反対』どころの話ではない。
松岡農林水産大臣の自殺が他人事ではなくなる。
私はblog-bluesさんの考えに賛同したとおり、とてもドキドキしましたけど比例区は共産党に入れました…なぜドキドキしたのか、わかりませんけど…そして、選挙区は民主党に入れました…
私はよくわからないのですが、私たちには、投票行動以外に民意を表す方法ないのでしょうか?…ここまで分からず屋だとおもいませんでした…
安倍首相は、「私がふさわしいか、小沢さんがふさわしいのか?」と問いました。民意はそれに答えました。…「改革か逆行か」と問われ…改革でもなく逆行でもない「生活が第一」を選びました…
誰も「人心を一新せよ」とは言っていません…そんなこと、誰が言ったのでしょう。どこから出てきたのでしょう…一新して欲しいのは他ならぬ、安倍さんだったはずです…改革をやりとげねばならない といいます…誰が言ってるのでしょうか?…
いえ だれも言ってません…安倍さんの幻の中で誰かが言ってるかも知れませんが…現状の改革路線を支持する人たちでさえ「改革は「貴方以外の人」にやって欲しい」と投票したことが安倍さんにはわからないんでしょうか?
これが血統のなせる業なんでしょうか…真顔で嘘がつけるなんて信じられません…
自民党は一体どうしたんでしょう…こういうとき以前の自民党なら次期首相候補が用意されているのが常です…既に人材が払拭しているんでしょうか…橋本さんが辞任された参議院選以上に惨敗し、女性スキャンダルにまみれた宇野とかわらないのです…安倍さん個人の資質以外に問われていません…それとも、公明党と合わせて47議席だから橋本さんよりも負けてないとか…
どうしても続けるというのなら、総選挙が筋のように思います
総選挙しかないでしょうね
おっしゃるとおり、安倍さんが「使命」というのなら、その使命が民主的な裏づけがあるものなのかどうか、総選挙で確かめるしかないでしょう。
scottiさんこんばんは
国民の意思なんてどうでもよくて、保身だけなのでしょう。それほど権力の汁は甘いということなのでしょうね。恐ろしい亡者たちだと思います。
布引洋さまコメントありがとうございます
BBCのような常識的な分析をはるかに超える権力欲と厚顔無恥だったということなのでしょう。
sr400yoshiさまこんばんは
新興宗教じみていますね。神のお告げでもあったというのでしょうか。もし国民の声をいっているのであれば、ひとこと「や・め・ろ」以外のなにものでもありません。
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