最上の帽子は頭にのっていることを忘るるような帽子である。最上の政府は存在を忘るるような政府である。
----徳冨蘆花「謀反論」

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 政権交代で、死刑廃止への道が開かれるのだろうか。

 アムネスティーの報告を受け、BBCは、過酷で異常な環境の中で日本の死刑囚の多く精神を病む実態を大きく報道した。死刑囚は孤立させられ、人と口をきくこともできず、独房の中で動き回ることすら禁じられ、座ってじっとしていなければならない。このような過酷な状況の中で多くの死刑囚が精神状態を保てず、幻覚すら見るようになる。日本の法律でもそのような場合執行は停止しなければならないのに、実際には行われている。
 そしてもうひとつ特筆すべきは、2006年から2009年の間に執行された32人のうち60歳以上が17人。70歳以上が5人。日本はもっとも高齢者を死刑にする国であるという。

 私は以前死刑について、看守たちが死刑囚の身の上を知るにつれ、こんな人間を殺していいのか、と心底悩む話を書いた。刑務官たちが、死刑制度を恥ずべき制度とし、それにかかわった自分についてまで恥ずべき人間であるとするまでおいつめる、死刑執行人の苦悩となって現れるのである。
 看守たちですらおかしくなりそうな中で死刑制度が維持されている。それを避けるにはどうすればいいか、看守だけのことを考えれば、彼らが死刑囚の身の上話など一切聞かないことにすればよい、ということになる。だから、今の死刑囚は完全に物として扱われ、看守らと雑談などをして情が移ることのないように沈黙の中におかれる。基本的に人と口をきいてはならない。刑務作業などを行えば気がまぎれるだろうが、それもない。狭い部屋にずっと閉じ込められ、人と口をきくこともできず、じっとしていなければならない。それが場合によっては何十年も続く。
 それだけではない。BBCでも、執行の数時間前に、今から執行すると告げられる残酷さを指摘している。毎朝、看守の靴音が廊下から響いてくる。執行のある日は足音でわかるらしい。「今日は誰か吊られる・・・」。自分の独房の前でぴたっと止まるかもしれない・・・そう思っていると隣の部屋で止まる。耳が研ぎ澄まされたように鋭敏になる。それを何十年も続ける。この残酷さの中に日本の死刑制度がある。
 私たちの知らないところで100人以上の人がこうやって過ごしている。このような恥ずべき制度を日本人は乗り越えることができるか、民主党政権が知性を持つか、そしてその決断ができるかが問われている。海外の報道機関が政権発足前にこのような報道をするのは、何の知性もない自民党政権と違って、今度の政権は最低限の知性を持つか、と問いかけているのだろう。

 なお、死刑問題について、私は以前「死刑賛成論、反対論がある」と思っていたが、今は賛成「論」はないと考えている。中世的な意味での、天動「説」というものが現在ないのと同じである。もし今いたら天動バカというしかないだろう。

 もちろん、死刑賛成「論」はなくとも、死刑賛成「感情」というのならわかるし、当然私にもある。


私なりに死刑についてまとめたページ
BBCのサイト
ガーディアン
アムネスティ・日本
コメント

モラトリアム

Luxemburgさんとは革新の共闘問題や、日本の右傾化の最大の原因である北朝鮮問題なんかで意見が一致しているのですが、この死刑問題だけは見解がなかなか一致しない。
私の立場は、自殺者が毎日毎日100人も出ている日本で、
世界的に珍しいカローシまである日本で、
年間で高々数人の『死刑』を論じる値打ちが果してあるのだろうか。?と言う疑問です。
確かに今、死刑囚は存在するし死刑も行われているのも事実です。
しかし日本は一億人を超す人口大国の一つですよ。確かに宝籤で3億円当てる人もいるが、
基本的には当たらないのが普通なのです。だから(自分に関係ないから)死刑賛成が8割にもなる。
日本の現状を考えた時、(反対の多い)死刑廃止ではなく、法令は其のままでもお隣の韓国のような死刑執行停止(モラトリアム)が最善ではないでしょうか。?

たかだか・・・

 おっしゃる通り、死刑の人数そのものはそれほど多くありません。自殺者が一桁、下手をすると二桁多い日本で数字だけみればとるに足りない数字です。
 そして、この論点は我々のエネルギーをそぐために存在する落とし穴のような役割を持っている、まんまと落とし穴にかかっているという恐れもあると思います。
 ただ、私は「死刑を行う社会」というものの危険を常々感じています。教室で鞭を使う先生がいた場合、叩かれる生徒もたいてい悪いやつで、自業自得。そんなやつのために神経を使うだけばかばかしいと思います。ただ、わたしは「そんなやつ」の利益はいっさい考えていません。先生が鞭を使う、そしてお利口な生徒たちが「ざまみろ」と思う、そのことを使って教室の秩序を維持する、そういう教育全体を問題にしています。鞭を使わないとなれば、いったいどのように授業を進めるのか、何もかも変わってくる、というのが私の考えです。
 ただ、ある意味「残念」なことに、もはやこの論点は終了しました。今後死刑の執行はなく、さらに廃止に向かうでしょう。この問題は結局「上からの改革」しかないようです。そして、もう決着がついてしまったように見えます。

死刑廃止論者は偽善者偽善者

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