最上の帽子は頭にのっていることを忘るるような帽子である。最上の政府は存在を忘るるような政府である。
----徳冨蘆花「謀反論」

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前回書いたのは 子供が親からの遺伝や育て方でいろんなものを引き継ぐのは自然、しかし子供の中身と関係なく、その子供の外側に、受け皿として政治家のポストが事実上用意されているのはおかしい、それが世襲の問題だということだった。
 世襲と七光りも違うということも書いた。たとえば、竹下元総理の孫は、ポストを引き継いだわけではないから世襲はしていないが、七光りは存在している。
認識と願望
 テレビってヤツはの掲示板では、「二代目だろうが三代目だろうが、結果で勝負だと思う」という意図不明の投稿がある。長島一茂がキャスターとしては親以上の結果を出している、ということらしいが、本人は何を言っているのか自分でわからないのだろう。
 石原の息子が「天気予報の分野で親を超えている」、などといってみても、親が天気予報をしていないから比べようがないし、仮にそれぞれの分野での第一人者かどうかで比べる、ということが可能だとしても、息子の「業績」が親なしで達成できたかどうかの疑問はぬぐえないことは前に書いた。百歩譲って完全に自分の実力として、ミスタープロ野球といわれる父を超えるほどキャスターの世界で地位を築いているのか、となれば、息子のほうが「だからそういう比較をやめてくれ」ともいいたくなるだろう。
 こういう意見は結局、実力主義の世の中であるという認識の問題ではなく、実力勝負である「べきだ」という願望をあらわしているとしか考えられない。認識と、たぶんに願望を含んだ意見がごっちゃになったことを言う人は多いが、そういう意見の典型である。

政治家の場合
 政治家に関しては、残念ながら日本は超世襲国家である。いつも言うとおり、世襲は民主主義の反対概念だ。
 民主主義という看板をあげていながら基本的な政治の仕組みが世襲というのは、日本と北朝鮮だけである。小泉、安倍、福田、麻生と見事に世襲総理が続いている。ブッシュの例を挙げてアメリカも同じという人がいるが、基本的な制度として事実上世襲が確立している国と一緒には出来ない。
 これについては、後援会が悪い、政党も子供だからといって推薦するのはおかしいといってみても、もし選挙民がそれにそっぽを向くとわかっていれば彼らだって絶対にしない。民主主義国家である以上、選挙民の問題である。
 日本が民主主義国家でありたいと思うのなら政治家の世襲はなくすべきだ、といえる。

企業の場合
 ワコールやサントリーの話は面白かった。簡単にいうとそのほうが安定するということらしい。スタジオでは、たとえば実力のあるAさんとBさんが次期社長を争っていて、どちらかに決まると会社は不安定になる可能性があるが、能力的に劣っても世襲のCさんを社長にすればおさまりがつきやすいのではないか、という議論がなされていた。
 話としてはわかりやすい。しかし、もしそうなら市場原理、もしくは民主主義で物事が決まることは合理的ではない、ということにならないか。つまり、Aの部門のほうが利益を上げたから、というのであれば市場原理で決めることになるはずだし、Bを社長に押す人のほうが多いからとするなら民主主義だが、どちらでもうまく行かない、ということなのだろう。だとすれば人間というのは悲しい、そしておろかな存在というしかないのかもしれない。
 これについては私もいろいろ意見はあるが、ただいえることは、この問題はあくまでも私的な企業の問題であり、就職する人もサントリーがどんな会社であるかわかって就職している。民主主義である「べき」そして、非任意的に国民をさせられている日本の政治の場合とは異なる。
 なお、会社は誰のものなのか、という問題について最近与謝野さんが、会社は株主のものであるという考え方に対する疑問を述べており、これは今後変わってくる可能性はある。
 またドイツのように自治体が企業の大株主だったり、労働組合が経営権の半分近くを握っていたりする国ではおのずと答えが異なるのかもしれない。

最後に
 結局、結論はいつものところに落ち着くのであって、政治家が世襲の民主主義国家というものは存在してはならず、それ以外に親から受け継ぐものについて、世襲一般を批判するべきものではない。というか正しくは、それは世襲として批判されるようなものではなく、自然に子供に受け継がれる属性や徳性に過ぎない。
 企業はどちらかというと私的なものだから一概には言えないが、今後公的な存在としての意味を持つようになってくると、政治についてと同じく、世襲が批判されるときがくるだろうし、そのときには批判すべきである。変われない企業はつぶれるだけである、などと簡単にいう人がいるが、企業がつぶれるというのは従業員や地域住民、ありとあらゆる人に甚大な被害をもたらすものだから、そうなる前に自ら立ち直ってもらうのが一番よい。

 この「テレビってヤツは」という番組は、問題提起だけをしてさらっと逃げるという番組のため、消化不良を起こしやすく、番組掲示板でも怒っている人がいたりするが、材料だけ与えられ、あとは煮込みは自分でやる、と思えばなかなかいい材料を提供してくれていて楽しい。
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