小さい頃「終戦記念日」といわれると、「え、終戦じゃなく敗戦でしょ」といつも思った。
ひねくれたクソガキ、といわれそうだが、敗戦こそが実感だった、とお年寄りたちから聞いていたからだ。近所のおばあちゃんは、62年前の8月15日には「うそだ、神国日本が負けるわけがない」と泣き叫んだという。「日本いい国強い国、世界に一つの神の国」(決して「愛国心」とは他国をも尊重する心ではないことに注意)と教えられ、どんなことがあっても負けないと信じてきたそのおばあちゃんは、アメリカがそこまで迫ってきて、もはや昼間戦闘機が低空飛行できる事態にまで至っているのに、最後まで事実を受け入れられなかった。
だから、敗戦という事実を突きつけられた日が多くの国民にとっての8月15日だった。
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