前々回、名主が民主的に、しかも任期を区切って選ばれることから、江戸時代(但しすべての地域とは言わない)はジョン=ロック顔負けの民主主義であると
書いた。
しかし、将軍選挙があるわけでもないし、大名のリコールができるわけでもない、選挙権、投票権などの概念のない世界が民主主義であるはずがないとも思えるのに、なぜ幕末に訪れた外国人が、
「ヨーロッパ人の私がもっとも驚いたのは、日本の生活の持つきわめて民主的な体制」(メーチニコフ)。
「アングロサクソンよりも根底においては民主的」(チェンバレン:あのチェンバレンとは無関係)
というのはどうしてなのだろうか。「生活」「根底」が民主的といわれてもぴんと来ない。
民主主義についてきちんと教えてくれない、というより教えない日本では、民主主義というとどうも投票だの多数決だのという表面的なところに話が行きがちだ。しかし、民主主義は実はもっと深いレベルで問題になる。
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